Doom And Gloom

日々の思うところや備忘録代わりのメモをここに。書いている人の事はカテゴリProfileをどうぞ。

カテゴリ: Book

2021年は2020年に輪をかけて全然本を読んでいない。

読んだ

  • 『 その仕事、全部やめてみよう――1%の本質をつかむ「シンプルな考え方」』
  • 『ゲンロン戦記』
  • 『エンジニアが明かすF1の世界』
  • 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
  • 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』
  • 『呼び覚まされる 霊性の震災学』

読みかけ

いっぱい

昨年と同じくらい。ほんの種類は戦争は無くなった。が、しかし全然読んでない。アホすぎる。今年は大量の積読を黙々と処理したいと思う。2020年の本は『戦争は女の顔をしていない』だったけど、2021年の本は『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』かな。いい本だった。特に1のほう。意外に良かったのは『呼び覚まされる 霊性の震災学』。ずっと本棚の肥やしだったけど読めてよかった。

 毎年恒例となってきた「誕生日に時間をもらう」イベントを開催。大場さんと静岡行ってきた

やったこと

  • 飲み
  • ちょっと読書
  • 温泉

飲み

金曜日

  • おでん屋さん「どみんご」

 「ちょっと綺麗な思い出横丁」という雰囲気の「青葉横丁」というところで見かけたおでん屋さん。ここで抹茶ハイ?みたいなもの体験したらうまくてびびった。そして他の地元の人もよく飲む。さすが静岡。そしておでんも旨し。はんぺんのようではんぺんじゃない「さんかく」てやつとか大根とか牛すじとか。大変うまくていい感じ。

どみんご(地図/写真/静岡/居酒屋) - ぐるなび

  • よくわからない和な居酒屋

 日本酒が飲めそうかつ魚も食えそうなので入った。よかったと思う。

  • ベアードタップルーム呉服町

 高田馬場にもあるけどベアードブルーイングのお店を見かけたので閉店なのに一杯だけ。間違いない味。

呉服町タップルーム (@gofukucho_tap) • nstagram photos and videos

この後もカラオケ屋行ったが、とにかく街がわからんので歩きまくって超疲れたわ。政令指定都市広い。

土曜日

  • 焼津港みなみ

 大場さんが見つけてくれたマグロがメインの店。昼間はまぐろ丼が売りらしい。超激うますぎた。1500円であんなうまいマグロの刺身を食ったことがない。大変に満足し快調に日本酒を飲んだ。今回の優勝はこの店。また行きたい。

焼津港みなみ (@yizkminami) • Instagram photos and videos

  • 大衆酒場 お志づ

 駅そばの立ち飲み屋。ここも雰囲気が良かった。テーブル席もあったけど道路に面したカウンターでの立ち飲みは良い。

大衆酒場 お志づ (@oshidu1010) • Instagram photos and videos

とまあそんな感じで静岡は酒も飯も旨かった。これで飲み屋街に客引きがいなけりゃもっといいのに。繁華街が中途半端に発展してて、しかも普通の飲み屋とキャバクラとかが同じゾーンにあったりするから、なんというかね。そこは辛かった。

ちょっと読書

 日帰り温泉施設が駅からバスでちょこっといったところにあることを知り、日曜午前中から出撃。で、風呂に一時間ほど入った後に昼飯食って読書をした訳だが、この温泉施設が泊まれはしないもののごろ寝したり恋人と来て肩寄せ合っていちゃつきながら漫画が読めるスペースがあったり飯が食えたりすごい。漫画も多くはないが流行り物だけではなく「ナウシカ」とかも置いてあった。

 ここで私はおもむろに仲正昌樹著『マックス・ウェーバーを読む』を読んだ。第一章で『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』について解説。プロテスタントの資本主義との折り合いの付け方について、大変面白い解説がありすげー面白いかった。今は第二章『職業としての政治』についての話を読んでいる。ちょっとむずいが「政治のプロ」の話は面白いな。この後第三章で社会科学の方法論について、そして最終第四章で『職業としての学問』が出てくるので楽しみだ。

 もしかしたらこの本を読み終えて勢いがあったら岩波文庫の『職業としての学問』を読むかもしれない。

どんな本

 数年前に購入して積ん読状態だった本。東北学院大学のとあるゼミの学生の論考を集めた本。

目次

  • 第一章 死者たちが通う街 タクシードライバーの幽霊現象
  • 第二章 生ける死者の記憶を抱く 追悼/教訓を侵犯する慰霊碑
  • 第三章 震災遺構の「当事者性」を越えて
  • 第四章 埋め墓/詣り墓を架橋する 「両墓制」が導く墓守りたちの追慕
  • 第五章 共感の反作用 被災者の社会的孤立と平等の死
  • 第六章 672ご遺体の掘り起こし
  • 第七章 津波のデッドラインに飛び込む 消防団の合理的選択
  • 第八章 原発避難区域で殺生し続ける
  • プロジェクトを終えてト

感想

 霊性というのは結局よくわからないので置いておく。第一章がタクシードライバーの心霊体験の話だったけど、端的に文章が読みづらかった。でもこういう話を集めに現場に行ったというのはすごいことだと思う。

 読んでて第五章は、震災の二次災害というか仕方のないこととは言え、被災者の頭を飛び越えてより悲惨な現場が注目されていく状態がもたらす苦痛について生々しい言葉が述べられている。また生々しさでは第六章も同様で震災時の遺体処理の実情がわかる。厳しい中でもチームを保つにはどのように保ったのかなどもそうか、、と。

 そして第八章についてはちょっと異なっていて、帰還困難地域内で野生化した動物や繁殖した猿や猪などの動物の駆除をボランティアで行っている猟友会のお話。ガチの手弁当で駆除し続ける人たちの思いについての論考となっていて面白かった。

まとめ

 最初文章が読みづらくきつかったけど、学生の論考だしそんなもんだよねと我慢して読み進めたらためになり面白かった。第一章については違和感が拭えない(心霊的な現象をそっちから切り取るのか、という感想)けどまあそれは私の好みと違っただけだろう。2015年頃に作られた文章なのだけれども震災遺構の問題にも触れているし街の復興にあたっての問題にもお墓という視点から触れてたりあの震災がもたらす広範囲な影響について、改めて考えさせられた。

何の本

 日本生まれでイギリスに暮らす女性の子育てエッセイ第二弾。前回記事のエントリはこれ

どう

 前回より子供が大きくなっていてることがわかる。今回も前半はなんか泣けた。この感覚をいつか俺も自分の子供との間に味わうのかなとか、子供たちはどういう風に社会に反応するのかなとか考える。社会、正義、思想信条、そういったことについて子供に話す言葉を持たないといけないのだ、ということを考えた。


何のこと

 最近『戦争は女の顔をしていない』が100分de名著で取り上げられていた。一方自分で『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読み終えた。この二つはまあ全然違うことが書いてあるのだけど、ふと「小さい歴史」「大きい歴史」的な捉え方をすると前者なのだなと思った。

戦争は女の顔をしていない

 大きな物語の代表である戦争を、旧ソ連軍に志願して参加した女性兵士達の証言で描いている。それはとても個人的な、小さな世界の物語となっていて大きな歴史と対比する形となって女性の口から語られていく。それは日常のことであったり恋愛のことであったりオシャレのことであったり。

 戦争という大きな物語の中で翻弄されながらも紡がれた小さな物語たち。歴史の大きな流れの中ではかき消されている小さな声。そういったものをアレクシエーヴィチは聞き取り書き残している。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

 こちらも英国で暮らす日本人女性の子育て記でありつつ、その中には現代の世界が抱える多様な問題 について平場の一市民目線で語られている。子供の学校の生徒の国籍の話とか、移民の子が更に差別的な言葉を使うくだりなどはブルーハーツの『弱い者たちが夕暮れ さらに弱いものを叩く』という歌詞を思い出さずにはいられない。

 そして英国の小さい話の中には移民やブレグジットの問題も絡んでくるわけで。読んでて割と泣ける。

で、何。

 大きな物語と小さな物語、これらのうちどちらかだけを見ていると大きなものを見落とすのではないか、そう思っている。人によってはあえて片方を見ず、自分の考えを研ぎ澄ませる人もいるとは思うけど、自分は、そしてできたら子供にも、面倒でも両方見て、感じて、考える人になってほしいかなと思う。

 この両方というのは大事だと思っていて、例えば80年前に日本が始めた戦争について、子供の頃よく夏にNHK教育とかで戦争体験を後世に伝えるためにおじいちゃんおばあちゃんが話す番組をやっていた。自分も見たけど。もしあれだけしか見なかったら「戦争は悲惨だ」と言う事しか理解できない。自分ではそれだけでは足りないと思っていて、それが何故起きるのかについての色々な角度からの話を学ばなければならないと思っている。なので戦記物を読んだり証言集を読んだり映画を見たりとかしている面がある。

 もちろん証言番組自体は見てよかった。ベースとして戦争は良くない。の実例を知ることができたから。でも特に左派は戦後全く戦争観をアップデートできずただただ「戦争反対」としか言えなくなっていて、それはもう支持されないと常々思って言う。キチンと『今の戦争』に目を向けて新しい現代の流れの中で普遍的な価値、考え方、話し方、見せ方をしていかなきゃ。それには今の戦争について。大きな物語についても知らなければならないのではないか。特にすでに戦争体験世代が証言できるような年齢ではなくなった現代では。

 そんなことを上記の2冊を読んだりEテレの『100分de名著〙を見て思った。

どんな本

 おりえさんが持ってて進められた本。イギリスに暮らす日本人女性の子育て?エッセー

何が書いてある

 身近なエピソードで綴られるイギリスの現実。「多様性」について考えざるを得ない環境から出てくる何か。

どうよ

 とても良い本ではないか。感動してしまった。おすすめ。どうも今月続編も出るようなので、今度は俺が買っておりえさんとシェアしよう。

 ハースF1のチーフレースエンジニアをやってる小松氏の本

何が書いてある

 エンジニアから見た現代のF1について書いてある。超詳しいことは書いてない(書けない)けど、でも現代のF1の複雑さがちょっとわかって楽しかった。良書なのでは。この本を買うときにもう一冊エイドリアン・ニューウェイの本『HOW TO BUILD A CAR』とどっちにしようか悩んだんだけど、この本は読みやすいしよかった。

 そのうち『How to 〜』も買って読もう。

エンジニアが明かすF1の世界
小松 礼雄
インプレス
2021-04-01

どんな本

 「ゲンロン」を展開している哲学者、東浩紀の語り下ろし的な本

何が書いてある

 ゲンロン創業から10年を東氏の視点で振り返っている

どう

 自分には超面白かったけど、ゲンロンとか東浩紀に興味がない人には多分響かない。でも読むと零細企業経営者の奮戦記というかそういうものになっていて読める。てかもう読んででなんか泣ける。


 仕事の仕方というか考え方と実践のヒントの本

どう

 まぁまぁ面白かった。2021年最初の本として悪くなかったのでは。前向きって大事だよね、とか心理的安全性を保つグループの作り方がわからないという自分に直接的な回答はないと思ったけど、読んで損した気持ちにもならなかった。

 昨年末に読み終えた本。Facebookに読書感想文を載せていたのでここにも同じ文章をコピペ。文章は2020年末に書いたもの。

本文

 今日やっとこの秋から読み始めていた『戦争は女の顔をしていない』を読み終えました。私が今まで読んできた各種戦争に関する本とは全く異なる本で大変素晴らしい本でした。WW2で従軍したソ連赤軍女性のインタビュー集なのですが、最初なかなか出版できなかったというのも分かるほど生の声を読むことができます。

 またこの本は女性へのインタビュー集ですが(ごく一部男性兵士へのインタビューがあります)、別に銃後の生活をしていた人にインタビューしたのではなく、狙撃兵や高射砲兵、衛生兵、パルチザンとしてあの戦争に関わったした人々が主な対象です。その中での言葉は大変重く暗いもので、たとえ「そんな中でも女の子としての自分を大事にしていた」といった文章が書いてあっても、基本的には読後感は「なるほど、これが読む地獄か」というもので軽々に人様にお勧めはできません。しかしそれでもなおこの本は反戦とかそういう次元ではなく読む価値のあるものだったと思いました。

 なおこの本は2015年ノーベル文学賞受賞者スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの主著ですが、このほか『ボタン穴から見た戦争』『アフガン帰還兵の証言』『チェルノブイリの祈り』『セカンドハンドの時代』が日本語で読めるようです(ただし『アフガン〜』は絶版で古本も超高い)。

 この他、本作は最近漫画になっていて、Webで連載されているのでそっちの方が読みやすいかもしれません。少なくとも絵は『狼と香辛料』のコミカライズをした方なので良いです。

 年末年始に「読みました!」と紹介するような本では全くありませんが、私としては今年読んだ数少ない本の中ではこの本が一番刺さるものになったのでした。

どんな本

旧日本軍を組織論的な視点殻分析した名著

ポイント

  • いわゆる『日本的組織』なるものの典型的なやらかしっぷりがよくわかる
  • 対象は分析対象はノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ沖海戦、沖縄戦の6つ
  • 陸軍、海軍、そして統合作戦。
  • データではなく情緒
  • 見たいものだけをみる
  • 自己革新的な合理性を持った組織を作ったアメリカとの差

その他

 読んでいて「もうやめて!こちらのHPはもうゼロよ!」と言いたくなるような話がすごい。この本とか、『昭和16年夏の敗戦』はみんな読んだらいい。今でも学びがあるはず。

どんな本

『独ソ戦』で新書大賞をとった大木毅氏の本。角川新書。「ドイツ装甲師団の父」と言われるグデーリアンの実際について

ポイント

  • グデーリアンの『電撃戦』で語られない、もしくは意図的に語らなかったと思われること
  • 軍の中の政治的なもの
  • 戦争犯罪への関わり
  • 自分の虎の子の装甲兵力を無駄に温存した結果

などなど興味深く読めた。

その他

今後マンシュタインについても書くとか何かで読んだ気がするので、出たら読みたい。でもロンメルについての方はあまりそそられないかなあ。

何について書いているか

大木毅『独ソ戦』について、友人が紹介してくれた他の人の感想についての感想。なのでこのエントリだけ読んでも訳がわからないと思われる。

何故書いているか

すこし納得できない部分のある感想文を読んだから。

何が納得できないのか

  • ヒトラーについての認識はわかる
  • 自民党政権が嫌いなのもわかる
  • 歴史上の独裁者と現在の日本の首相を並べて語ることに反対
続きを読む

概要

 岩波新書から出ている「独ソ戦」を読み終わった。独ソ戦の個別の戦闘ではなく、通しで独ソ戦の経緯を概観できる良い本だった。また、戦闘だけではなく政治的な側面や戦争犯罪等についても(独ソ双方)ページが割かれていてよい。

ポイント

  • この本読むまで「彼らは来た」のパウル=カレルの素性を知らんかった
  • 戦略と戦術の間に「作戦術」というものを置いて理解しようとするのはなんとなくわかりやすい。でもちょっとあいまい?
  • ドイツ国民そのものの罪、的なものにも触れている
  • 国防軍無謬論というか、国防軍は虐殺行為とかしてません、的な言説を否定していて素晴らしい。
  • この著者の「戦車将軍グデーリアン(角川新書)」も読んでみたくなった
  • 巻末に参考資料がまとめてあって大変助かる。今後独ソ戦についてもっと本が読みたくなった時の参考にさせてもらう。

リンク


 4/14は技術書典6に行ってきた。初回から気になりつつ行けていなかった技術系同人イベント

である。結論としては行ってよかった。刺激がいっぱいで、2時間もいなかったけどとても楽し

い時間になった。

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 いつだかのデブサミかなんかででもらった本。やっとこさ読み終わった。今後適用するには
工夫も必要だけど、なんとか導入していきたい考え方がいくつもあった。

 タブレットで読み終えた。名著というかまあ良い本なので、もっと早く読み終えておくべきだった本
なんだけど、これは今後是非一部分でも手をつけていきたいところ。

 浅田彰氏がゲンロンカフェでのイベントで紹介してたウェルべックの新作が日本語訳されたので
早速買った。連休中読もう。

 Kindleで読んだ。父になったということでずっと読もうと思っていた本。でも子育て論
ではない。いや、前半は確かにそういう面があるけど後半には子育てを通じて日本社
会を考える的な本にになっている。子供ができたことで自分の思考が変わっていって
いる点について東浩紀・宮台真司の両氏が語っている感じ。でも分量的には宮台氏
のほうが多いかな。
 基本普段は東氏の文章を読むことが多いので宮台氏の決め付けにも取れる断定口
調は苦手なんだけど、でも苦手なのは図星をつかれているかもしれない。等と思いな
がら読んでみた。ちょっと収録が古いので、ゲンロンチャンネルの動画見たかったけど、
どうもそれもすでに見られないようね、残念。



 最終巻が書店に並んでいたので買った。コミックは集めてないんだけど最終巻は買おうと決めていたのだった。13巻まででほぼ全てが終わり、14巻は全体がエピローグと言っていいんじゃないかな。ユイとゲンドウ、レイとシンジの対話なんかを読みながら「あー、おわるのねー」としんみりしてしまう。
 ところで最近家に子供がいるからか、ユイとゲンドウの対話のシーンのような場面に弱い。ユイが死ぬ間際のゲンドウに語った「思い出して」のくだりは「おおぅ」ってなる。あとゲンドウがL.C.L.にならないのはなんでなん?一つになるのを拒否したから?隣でリツコが溶けてるのにね。あと最後のストーリーで真希波マリが出てくるのはマリのお母さんなの?エヴァの呪縛的なアレで本人な感じ?というところで終わり。なんか自分が大学生の頃から知っている漫画が終わるというのもしんみりするなあ。来年あたりは月マガの『DEAR BOYS』も終わるんだろうし、終わって寂しいのと、自分が遠くに来てしまったという感慨でしょんぼりしそうだ。

 というわけで90年代以降の日本のアニメ・漫画に多大な影響を及ぼしたエヴァの貞本版が終わり、残るは新劇場版の4作目のみ。とはいえ、新劇場版は私としては「公式二次創作」という捉え方なので、この漫画版が終わったことでエヴァの物語は一応終了なのかなと思う。一時代の区切りだなあ。



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