アメリカへの飛行機とアメリカ国内での移動の合間に西田幾多郎随筆集を読了。大変に気持ちの引き締まる本だった。そして一つ道に研究し続ける人の迫力を感じられた。本の体裁は、時代が明治から終戦の年までということもあり文章は硬く、最初は慣れなかったが、それもまた面白くどんどんと読み進められた。西田氏については私は有名な「善の研究」も読んでいないし、そもそも哲学書自体を読んでいない。単に「西田哲学」とまで言われる人のづいひつなら面白そうだ程度で読んでみたのだが、それでもなんというか「考える」ということについてどこまでも思いを至らす事の大事さを考えさせられた。それと時代という点では当時原書を手に入れるのに大変苦労されていたのだろう事も手紙からよくわかる。この点現在の状況は大変に素晴らしく技術に感謝だ。先日もアメリカまで行ってきたが、いまや米国東海岸まで14時間くらいあれば行けてしまう。人に会うにも(金は必要だけれども)何とかなってしまうのだ。