何について書いているか
大木毅『独ソ戦』について、友人が紹介してくれた他の人の感想についての感想。なのでこのエントリだけ読んでも訳がわからないと思われる。
何故書いているか
すこし納得できない部分のある感想文を読んだから。
何が納得できないのか
- ヒトラーについての認識はわかる
- 自民党政権が嫌いなのもわかる
- 歴史上の独裁者と現在の日本の首相を並べて語ることに反対
中身
友人が紹介してくれた、『独ソ戦』感想を読んだ。その文章は私にはヒトラーがイエスマンで周りを固め、冷静な判断を下せず独断と失敗を繰り返す様に現在の日本の政権与党を重ねているようだった。
私自身はそういう意見には反対である。というかすぐに自民党政権のやってることをヒトラーなどの歴史的な独裁者に例える人は今の日本の首相がヒトラーほどのカリスマや(大変な誤りとは言え)世界観を持っているとでも思っているのだろうか。せいぜい彼はデギン・ソド・ザビがギレン・ザビに向けた「ヒトラーの尻尾」くらいなもので、過大評価に過ぎる。というか安易にヒトラーだのスターリンだのを引き合いに出す人は、煽りたいだけか勉強が足りない馬鹿かどちらかに過ぎないと思う。
もちろんヒトラーがマイクロマネジメントを始めた結果、崩壊のペースが早まったというのは知られた話で組織のマネジメントの難しさを感じるし、周りをイエスマンで固め最後はヒトラーにさえ
映画館の案内係程度の頭の持ち主と言われたような人間が元帥を務めて破滅していく様は何とも言えないものがある。そこに一連の我が国における問題と絡めて共通点を見つけたくなってしまうのは心情としてはわかるのだけれども、直接的に比較するものではないのではないと思うのだ。違うのだ。規模も内容も根底の思想も。表層は似ていてもそこだけで比較するのは75年前に終わった戦争で死んだ人々に失礼だと思う。もっと慎重に言葉を使って欲しいとさえ思う。
また、政権運営の問題をひとえに首相個人の資質に帰するのは大変な誤りだとも思う。別に首相が変わっても自民党はダメな政党だし、野党もクズで政権は取れないのだ。必要なことは『危機管理』の仕組みであり特別優れた人間がトップに立たなくても最低限のことができる仕組みではないか(「最低限」とはなにか、とかトップがちゃんとしないと官僚制も暴走する、という点はあるが)。
おわりに
ここまで書いてきて、なんか官僚制度、官僚機構について学びたい気持ちが出てきた。