東北・東日本大震災からこの3月で5年になった。まだまだ復興は途上で、地域によってはいまだに将来像を考えられないでいるところもあるみたいだ。あの、2011/3/11から今日までの日本を考えると震災の直接的な人的・物的な被害や福島第一原発の事故など明らかにこの国の空気が変わってしまったことを感じる。

 そのことをTBSラジオ「Life」の Podcastの震災前後の放送内容とのギャップから結構感じていて、今でもたまに震災前後の話を聴き直すことがある。とくに震災前は例えば2010年の10月末は「情報社会の限界(ギリギリ)ライン」というテーマで津田氏が「俺が死んだらbotになる」とか言ってて面白かったし、直前、2月のテーマも「ふぞろいのグローバル化」で、身の回りのグローバル化について語るみたいなことになっていた。それが震災以降は明らかに傾向が変わった。3月は「このメディア環境を生きる」で4月は「ポジティブの現在/ネガティブの未来」。番組の内容も非常に変化した(してしまった)ように思う。

 ただ、変化自体は時代・環境が変われば当然なので別にいい。番組の問題というよりはむしろ日本社会が変わったからそれに合わせてるということなんだろうと思うから。
他にもゲンロンをやってる東浩紀氏も以前どこかで震災前後で変わってしまった、という話をしていた気がする。ゲンロンのまえ、コンテクチュアズのころから「しそちず!」とかぬるい、というと聞こえが悪いか、私のようなライトな人にもとっつきやすいネタがあったけど、今は結構がっつり思想誌になっている。そこに至るまでにはいろいろとあったみたいだけど、時代的に「この厳しい状況でぬるいネタやってるなんて不謹慎だ」とかいうやつが出てきそうな空気が反映しているんじゃないかなーとか。
こんなことをモヤっと考えることがたまーにあるんだけど、こういった震災前後での言論環境の変化とかはもうちょっと時間が経つと検証されるのかねぇ。