結構前に買ってずっと本棚に眠っていた『虐殺器官』を読み終わった。この小説の著者は34歳という若さで亡くなられているんだけど、惜しいね。すげー面白かった。SF、といっても近未来ぐらいな感じで世界中で虐殺を引き起こす男のその手段と目的が読んでて「うわー」って思ってしまう。そして最後にはオチで最高に「うわー」となってしまうのだ。  ネタバレなのかもしれないけど、静かな狂気が世界に死を撒き散らし、また最後には全てが狂っていく流れがたまらん。「世界がアメリカに敵意を向けるなら、敵意を向けそうな国を混乱させてそれどころじゃなくすればいい」というアイディアの元に「虐殺の文法」を広める男。本編でこの「文法」については描写がないのがちょこっと残念だったけど、そんなんかんけいなくすごく引き込まれて一気に読んでしまった。とりあえず今度は『ハーモニー』を買って読もうと思う。 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) [文庫]